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体調管理も仕事のうち(`・ω・´)健康まとめサイト

大人のための健康維持に役立つ情報をまとめています。栄養のある食べ物や運動方法など30代40代の社会人に向けた健康総合ブログです。

アメリカが全廃発表した「トランス脂肪酸」なぜ?日本の今後は?

2015年6月16日、アメリカ食品医薬品局(FDA)が「トランス脂肪酸」について革新的な発表をした事をご存知でしょうか。それは「トランス脂肪酸」の食品添加を3年以内に全廃すると言うものです。


日本でも一般的に摂取しすぎると健康に害があるとされていますが、食品への使用を全面廃止すると言うこの発表は今後の食にとって大きな返還点となると言って良いと思います。その具体的な内容と、アメリカでの決定を受けて日本では今後どのような動きがあるのか、そして私たちが健康な食生活を送る上でどう「トランス脂肪酸」と関わっていくべきかを考えてみましょう。

そもそもなぜ「トランス脂肪酸」は良くないの?

 まず簡単に「トランス脂肪酸」について触れておきましょう。簡単に言えば本来常温では液体である植物油をマーガリンやショートニングの様な固形物にする時に自然界では存在しない形に捻じれてしまった不飽和脂肪酸の事で、いわば人工的に作り出された不自然な脂肪です。
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植物油を高温処理・水素添加する事で生まれてしまうこの”奇形”の脂肪酸は通常自然界には存在せず生体内でも作られる事は有りません。ただし、牛や羊などの反芻(はんすう)動物では胃の中の微生物によってトランス脂肪酸が生成されるので、牛肉や乳製品には微量なトランス脂肪酸が含まれますがこれは天然の物です。

特に危惧されている人工的で不自然な脂肪酸は体内で代謝されにくく、いわゆる悪玉コレステロールを増やして善玉コレステロールとのバランスを崩してしまいます。私たちの健康に及ぼす影響は大きく、肥満、動脈硬化、心筋梗塞や狭心症のリスク増大、アレルギー疾患の増加、流産、死産、母乳による乳児への影響など非常に深刻である事が各種研究によって報告されているのです。

アメリカでの全廃への流れ

「トランス脂肪酸」について食品への添加を3年以内に全廃すると言うこの発表によると、具体的には「トランス脂肪酸」の直接の発生源となる「部分水素添加油(PHO)」の使用が禁止されます。この措置によりなんと「毎年数千件の命に関わるような心臓発作を防ぐ事ができる」とアメリカ食品医薬品局のオストロフ局長代行は述べています。
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寝耳に水、と思われる方もいるかもしれませんが実はいきなり降ってわいた話では無いのです。アメリカでは「トランス脂肪酸」が動脈硬化の原因となり、心臓発作の増大を招くとして以前から規制をしており既に2006年から「トランス脂肪酸」の食品ラベルへの表示が義務付けられた事により、摂取量は順調かつ大幅に減少しています。
 また、世界保健機構(WHO)も摂取を控えるように促している事からも分かる通り世界的にも危険と認識されている物質なのです。デンマークやスイス、オーストリアでは規定量以上のトランス脂肪酸を含んだ油脂の国内流通を禁止していますし、アジア圏を含む他の多くの国でも食品ラベルへの表示が義務付けられている事からも既に危険性が広く認知されている事が分かりますね。

日本での傾向・対策は?

世界が既に警鐘を鳴らしている「トランス脂肪酸」に対して日本はどのような見方をしているでしょうか。残念ながら、日本のトランス脂肪酸対策はかなり立ち遅れていると言わなくてはなりません。
農林水産省の「トランス脂肪酸に関する情報」や内閣府の食品安全委員会の発表をもとに、日本としての見方を簡単にまとめてみると以下の様になります。

・トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、トランス脂肪酸をとる量が多い欧米人を対象としたものであり、日本人の場合にも同じ影響があるのかどうかは明らかではありません。
・トランス脂肪酸だけではなく、飽和脂肪酸などを含めた脂質のとりすぎ、食塩のとりすぎにも十分に注意してください。
・食塩や脂質を控えめにし、いろいろな食品をバランスよく食べるという食生活指針の基本を守れば、トランス脂肪酸によって心臓病のリスクが高まる可能性は低いと推定されます。 農林水産省では、健やかな食生活を送るためには、トランス脂肪酸という食品中の一成分だけに着目するのではなく、現状において日本人がとりすぎの傾向にあり、生活習慣病のリスクを高めることが指摘されている脂質そのものや塩分を控えることを優先すべきと考えています。
・現時点では、日本において食品中のトランス脂肪酸について、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。また、トランス脂肪酸だけではなく、不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸、コレステロールなどの他の脂質についても表示の義務や基準値はありません。

ごくごく簡単にまとめてしまえば、
「トランス脂肪酸」による健康リスクは認めている物のそれは日本人よりも摂取量の多い国の話で日本人はバランスの取れた通常の食生活をしていれば健康への影響は少ない。
なので基準値は定めていないし、表示の義務もない。

となります。非常に残念ですが世界的な「トランス脂肪酸対策」から見て後進国と言わざるを得ないでしょう。
健康への悪影響は認めていて控えるべきとしていても表示が無ければ消費者はなかなか減らしようが有りませんし、「バランスの取れた通常の食生活」を送れている人ばかりではありませんね。もはや欧米化が進んでいる、ではなくほぼ欧米と変わらない食品が溢れている現状を考えると私たち個人が意識して対策をしなくてはならないのです。